注目の論文
細菌と戦うカタパルト(射出機)
Nature Medicine
2008年8月11日
An antibacterial catapult
カタパルトのように、ミトコンドリアDNAを射出することによって細菌と戦う免疫細胞が発見された。
好酸球は感染との戦いを助ける白血球だが、免疫系におけるその正確な機能はわかっていなかった。H-U Simonたちは、細菌が好酸球を活性化すると、好酸球の死とは無関係にミトコンドリアDNAが放出されることを明らかにした。このDNA放出過程は、カタパルトのように迅速で、わずか1秒足らずで起こる。このミトコンドリアDNAが細胞外空間でタンパク質と結合して細胞外構造を形成し、これが細菌をとらえて殺すことが、試験管内でも、生体内の炎症条件下でも明らかになった。
今回の結果は、これまで知られていなかった好酸球を介した免疫応答機構があることを示しており、細菌が自由に侵入できないよう宿主を守るためには、この機構が不可欠なのかもしれない。
doi: 10.1038/nm.1855
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