注目の論文
【進化】歯の大きさから分かるヒト族の進化上の位置づけ
Nature
2016年2月25日
Evolution: Tooth size may put hominins in their place
ヒト族の歯の大きさの進化を説明できる単純なルールについて報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。今回の研究により、単離した1本の歯を使って、歯列の大きさを予測できるようになった。
ヒト族の歯は、進化の過程を通じて小さくなった。この現象の原因は、食餌や料理の習慣だとされてきたが、歯の大きさのばらつきの基盤となる機構についての解明は進んでいない。
今回、Alistair Evansたちは、現生人類の歯とヒト族の化石の歯の大きさを分析して、マウスの臼歯の相対的な大きさを制御する発生機構(抑制性カスケードモデル)がヒト族と大型類人猿に適用できるのかどうかを調べた。その結果、犬歯の奥の第一生歯(小臼歯と永久大臼歯を含む)の絶対サイズと相対サイズとの強い関連性が明らかになった。この歯の大きさのパターンは、アウストラロピテクス属の歯の絶対サイズと一致しているが、スケーリング関係は、ヒト(Homo)属の種間で異なっており、第一大臼歯の大きさに基づいている。この新知見は、ヒトの進化をめぐるかなりの数の論争を決着させる上で役立つ可能性がある。
doi: 10.1038/nature16972
注目の論文
-
12月13日
Nature Medicine:2025年の医療に影響を与える11の臨床試験Nature Medicine
-
12月13日
進化:最古の現生人類ゲノムから、4万5,000年前にネアンデルタールとの混血があったことが判明Nature
-
12月12日
進化:ワニはどのようにして皮膚を得たのかNature
-
12月12日
天文学:Firefly Sparkleが初期の銀河形成に光を当てるNature
-
12月12日
医学:マウスの子癇前症に対するmRNA療法の提供Nature
-
12月10日
加齢:脳の老化に関連する重要なタンパク質の発見Nature Aging