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【医学研究】閉経のマウスモデルの体脂肪を減らす抗体

Nature

2017年5月25日

Medical research: Antibody reduces body fat in a mouse model of menopause

Nature

新たに発見された抗体が、閉経のマウスモデルで検証され、骨量の増加と体脂肪の削減に役立つ可能性のあることを示唆する論文が、今週のオンライン版に掲載される。この新知見をヒトに応用できるかどうかを見極めるにはさらなる研究が必要だが、今回の研究は、閉経後の骨粗鬆症と体重増加と肥満一般の治療に役立つ単一の薬剤の開発に役立つ可能性がある。

骨量の減少と体内の内臓脂肪量の増加は、閉経の一般的な特徴だが、今回、Mone Zaidiたちの研究グループは、下垂体ホルモンの一種である卵胞刺激ホルモンに対する抗体療法を適用した結果、卵巣を切除したマウスの骨量が増加し、肥満が減少する過程を明らかにした。この抗体療法は、高脂肪食を与えた標準的なマウスの肥満蓄積も減らした。この抗体療法を受けたマウスは、酸素消費、身体活動、褐色脂肪とベージュ脂肪細胞での熱産生が増加した。

現行の抗肥満治療薬は、食欲を減退させ、あるいは栄養の吸収を遮断することによって治療効果をあげる傾向があるが、その効能には限界があり、副作用が生じることもある。Zaidiたちは、今回の論文で新たに発表された抗体をヒト化したものが、内臓脂肪が関係するその他の疾患(メタボリック症候群、心血管疾患、がん、糖尿病、多嚢胞性卵巣症など)にも使える可能性があるという考えを示している。

doi: 10.1038/nature22342

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