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成年に達すること:「青年期の科学」特集

Nature

2018年2月22日

Coming of age: The science of adolescence

Nature

青年期はリスクと脆弱性をはらむ一方で、成長と可能性がピークを迎える、というしばしば見られる逆説的性質を探究した一連の論文と記事が、NatureおよびNature関連誌、さらにはScientific Americanの計10誌に掲載される。

Natureの「青年期の科学」特集の冒頭では、青年期自体を解明するまでの道のりは長いという見解が示されている。「思春期」という概念には、若者が10年以上にわたって経験する身体的、神経的、認知的、社会情緒的な変革的成長が捉えられていない。また、科学と医学と政策論は小児と成人を重視したものが多く、小児と成人の間の期間は軽視されている。しかし、青年と青年期を理解することは非常に重要だ。ティーンエージャーの人数は、これまでの人類史上で最も多いと推定されており、青年期の健康と幸福がその後の人生の軌跡を決めているからだ。

Natureに掲載されるNicholas Allen、Ronald DahlたちのPerspectiveでは、青年期が身体的、認知的、社会的な急成長期であり、介入を行う絶好の機会だという主張が示されている。また、George PattonたちのAnalysisでは、世界の疾病負荷に関する最新データが分析され、世界中の若者が直面する健康面の課題とそれが次世代に及ぼす影響について探究されている。

また、NatureのCommentではCandice Odgersが、現実社会での生活ですでに脆弱性を示している若者は、インターネット社会での生活の悪影響をさらに大きく受けるという考えを示唆する証拠を検討している。Odgersは「現時点で観察されている現象は、新種のデジタル・ディバイド(情報格差)の出現である可能性があり、インターネット上での経験の差がすでに脆弱性を示している青年におけるリスクを増幅させている」と主張している。

さらに、NatureのNews Featureでは、青年期を定義するために用いられる生物学的・社会学的現象と、これらの境界線が流動的になっている現状を探究している。もう1つのNews Featureでは、リスクを負う行動が成人になろうとしている人々にとって有益な戦略となり得ることを示す証拠の発表を受けて、そのような行動の果たす役割を再検討している神経科学者を取り上げている。さらに、Jo BoydenとRobert BlumによるCommentでは、現在、世界の10~24歳の90%が住む低所得国と中所得国における青年の日常生活を理解することの重要性が強調されている。Beth StevensのIn Retrospect(News and Views)では、青年期の異常なシナプス剪定が統合失調症の原因になっていると主張するFeinberg仮説について評価している。さらにCareers Featureでは、科学者が高校生を研究室に招待することについての賛否を比較評価する。

英語の原文

doi: 10.1038/d41586-018-02168-x

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