注目の論文
ミエリンの修理
Nature Medicine
2011年7月4日
The myelin fix
脳の細胞死受容体6(DR6)の発現亢進が、多発性硬化症(MS)患者の脳の修復を妨げている可能性がある。この知見が、多発性硬化症の新しい治療法に結びつくかもしれない。多発性硬化症患者では、脱髄(軸索の保護層であるミエリン(髄鞘)が損傷される)が大量に起こり、これが、病気の特徴となる神経機能不全の一因となる。S Miたちは、MS患者の脳組織でDR6が上方制御されていることを発見した。また、MSのラットモデルでも同様の知見が得られた。DR6は未成熟オリゴデンドロサイトを全滅させる働きをするらしいと、Miたちは考えている。オリゴデンドロサイトは脳の支持細胞で、本来はミエリンを修復する能力を持つ。MSのラットモデルで抗体を利用してDR6を阻害すると、オリゴデンドロサイトがミエリンを修復できるようになり、神経機能不全の症状が改善されることがわかった。
doi: 10.1038/nm.2373
注目の論文
-
7月11日
古代ゲノミクス:疫病に襲われた新石器時代の農民たちNature
-
7月10日
バイオテクノロジー: 培養肉の風味を改善するNature Communications
-
7月9日
微生物学:自閉症スペクトラム障害は子どもの腸内細菌叢の変化と関連するNature Microbiology
-
7月9日
ウイルス学:牛H5N1インフルエンザの感染と伝播Nature
-
7月4日
考古学:チベット高原でデニソワ人が活動していたことを示す動物の骨Nature
-
7月4日
古生物学:オオサンショウウオに似た捕食動物Nature