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北米の化石記録の大きな空白を埋める小さな恐竜の発見

Communications Biology

2019年2月22日

New diminutive dinosaur extends the North American fossil record

Communications Biology

ティラノサウルス上科恐竜の新種が発見されたことを報告する論文が、今週掲載される。この恐竜は、白亜紀層で見つかったティラノサウルス上科恐竜の中で最も小さな部類に入る。今回の発見は、北米の化石記録における7000万年分の空白を埋めるために役立つ。

ティラノサウルス上科恐竜の中で最も有名な恐竜の1つであるティラノサウルス・レックスは、大型の最上位捕食者として知られている。しかし、その他の既知のティラノサウルス上科恐竜種は小型で、1億年にわたる進化史の大半において従属的狩猟者としての役割を担っていた。ティラノサウルス・レックスなどの巨大なティラノサウルス上科恐竜が出現するまでの主要な進化的事象については、アジアではもっと完全な化石記録が存在するという状況下で、北米では情報価値のある化石が見つかっておらず、解明が進んでいない。

今回、Lindsay Zannoたちの研究グループは、米国ユタ州エメリー郡で、非常に小さなティラノサウルス上科恐竜の化石を発見した。これは、ティラノサウルス上科恐竜の新種とされ、Moros intrepidusと命名された。この発見により、北米の化石記録の年代が1500万年さかのぼり、これまで空白となっていた7000万年間(ジュラ紀から白亜紀への移行期と白亜紀の大半)が埋まった。Zannoたちの推算によれば、M. intrepdiusの成体の体重はわずか78キログラムで、肢の長さは1.2メートルだった。また、M. intrepidusとアジアに生息していた近縁種の分析から、ティラノサウルス上科恐竜は約1500万年にわたって小型であり続け、ティラノサウルス・レックスのような巨大な恐竜に進化したのはせいぜい1600万年間ほどだったことが示されている。

doi: 10.1038/s42003-019-0308-7

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