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深層学習による画像解析で英国のさまざまな不平等を検出する

Scientific Reports

2019年4月18日

Inequalities in UK can be detected using deep-learning image analysis

Scientific Reports

ディープラーニング(深層学習)という機械学習の手法を用いて一般公開されている街路画像を解析することで、英国の都市内の社会的不平等、経済的不平等、環境的不平等、健康上の不平等を検出できることが明らかにした論文が、今週掲載される。

ロンドンのような大都市内には、大きな不平等が存在しており、それを詳細に測定することは、不平等の解消を目指す政策に有益な情報をもたらし、そうした政策を評価する上で極めて重要だ。しかし、リアルタイムで不平等を測定できるような十分に関連付けられた統計データセットを保有する国は極めて少ない。

今回、Esra Suelたちの研究グループは、ディープラーニングの手法により、一般公開されている街路画像と政府統計を使って、英国の4つの主要都市(ロンドン、バーミンガム、マンチェスター、リーズ)における不平等を検出するため、コンピュータープログラムを訓練した。コンピュータープログラムは、まず15万6581種の郵便番号に対応するロンドンの画像(合計52万5860点)を使って訓練され、次に、そのわずか1%に当たる(ウェストミッドランド、グレーターマンチェスター、ウェストヨークシャーで収集された)追加データを使って微調整を行った上で、バーミンガム、マンチェスター、リーズにおける不平等の検出を行ったところ、ロンドンの場合とほぼ同じ予測精度が得られた。

Suelたちは、都市と都市生活の一部の特徴(住宅の質、生活環境など)には、コンピューターによる認識が可能な直接的な視覚シグナルが含まれているという仮説を提示している。これらの視覚シグナルとは、建材、破損状態、自動車、地元の商店などである。画像を、個々の都市の結果(住宅水準、平均所得、死亡率と罹患率など)に関する政府統計と併用すれば、政府統計のない他の都市における不平等を検出するためのコンピュータープログラムの訓練に用いることができると考えられる。

Suelたちが開発したコンピュータープログラムは、生活環境の質と平均所得の格差を認識する性能が最も高く、犯罪と自己申告による健康状態の格差の認識性能が最も低かった。

doi: 10.1038/s41598-019-42036-w

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