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【感染症】HIV感染マウスに対するCRISPRを用いた併用療法

Nature Communications

2019年7月3日

Infectious diseases: Combination therapy involving CRISPR to treat HIV in mice

Nature Communications

長時間作用型の薬剤送達システムとCRISPR-Cas9による遺伝子編集技術を併用して、HIVに感染したマウスを治療したところ、その一部でHIVが検出されなくなったという報告が今週掲載される。2回の試験で、合計13匹のマウスがこの併用療法を受けたが、そのうちの5匹は、治療後最長5週間にわたってHIV感染の兆候を示さなかった。これに対して、いずれかの治療法を単独で受けたマウスからはHIVが容易に検出された。

現在のところ、HIV感染患者の治療は抗ウイルス薬の併用によっている。しかし、この治療法では完治に至らず、薬を一生飲み続けなければならない。

今回、Howard Gendelman、Kamel Khaliliたちの研究グループは、HIVに感染したマウスの一群を対象として、HIVを標的とする併用療法を開発した。この併用療法は、体内で抗ウイルス剤をゆっくりと放出させて数日間にわたってウイルスの活動を抑制する方法とHIVに感染した細胞のDNAのうちの関連する部分を切断してウイルスの遺伝コードを除去する方法を組み合わせたものだ。この併用療法による継続治療の結果、全体の約3分の1のマウスでHIVが検出不可能なレベルまで低下した。今回の研究では、これらのマウスをいくつかの手法で調べ、HIVに感染した細胞/組織部位で、治療後の5週間、HIVは検出されなかった。

今回マウスで得られた結果は有望だが、この研究グループは、ウイルスリザーバーへの薬剤の送達を改善し、ウイルスの潜伏感染を特異的になくすためのさらなる研究を計画している。

doi: 10.1038/s41467-019-10366-y

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