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微生物学:微生物が海底下で生き続けるための仕組み

Nature

2020年3月12日

Microbiology: Surviving deep under the sea

Nature

海底下に生息する微生物群集に関する研究によって最大で海底下750メートルの群集が発見され、こうした極限環境で微生物が生き続けるためのメカニズムに関する手掛かりが得られた。この研究成果について報告する論文が、今週Nature に掲載される。

地球の上部地殻には微生物が存在することが知られているが、海洋下部地殻に関する情報は少ない。海底下の岩石に生息する微生物相が生き続けることには困難が伴う。その環境で、成長やその他の過程に必要な炭素とエネルギーを十分に得ることが難しいからだ。

今回、Virginia Edgcombたちの研究チームは、地球の下部地殻が露出しているインド洋のアトランティス海台の海底下から岩石試料を採取し、発掘された海洋下部地殻から活性の高い微生物群集を発見した。Edgcombたちは、こうした微生物の酵素活性測定値とmRNA回収量に基づいて、細胞活性レベルが非常に低いと判定し、予想外の従属栄養プロセス(有機物を食料源とするプロセス)を複数同定した。例えば、エネルギーの生産と貯蔵に使用できる化合物を生産するためのアミノ酸のリサイクルだ。こうした適応は、深海生物圏で散在する少量の資源をめぐる競争を反映したものだとEdgcombたちは考えている。

Edgcombたちは、微生物相の多様性と活動がアトランティス海台下の微生物に類似しているかどうかを判定するには、海洋下部地殻のさらなる探査が必要だと指摘している。

doi: 10.1038/s41586-020-2075-5

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