注目の論文

起伏のある遊泳パターンで省エネする海洋脊椎動物

Nature Communications

2011年6月15日

Marine vertebrates conserve energy through undulating flight

Nature Communications

サメやアザラシなどの海洋脊椎動物は、鳥類が飛行高度を変化させるのと同じように、起伏のあるパターンで泳ぐことで、エネルギーの節約をしていることが明らかになった。この結果は、飛行と遊泳の運動パターンが収れん進化したことを暗示している。詳細を報告する論文は、今週、Nature Communicationsに掲載される。A Gleissらは、4種の海洋脊椎動物(ホホジロザメ、ジンベイザメ、キタオットセイ、ゾウアザラシ)に加速度計を取り付けて、その遊泳パターンを記録した。その結果、これらの動物が起伏のあるパターンで遊泳することが判明した。すなわち、水中で、受動的な滑空遊泳と上方移動を組み合わせて泳いでいたのだ。この上方移動は推力として働く。Gleissらは、これらの動物が、この推力を利用して水中と空中を移動することで、蓄えたエネルギーを長持ちさせようとしている、と考えている。

doi: 10.1038/ncomms1350

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