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【幹細胞】骨髄間葉系幹細胞の移植によってマウスの骨密度低下を止める

Scientific Reports

2011年8月19日

Stem cells: Bolstering bone density

Scientific Reports

若齢マウスの間葉系幹細胞を老齢マウスに移植すると、その骨密度の低下が鈍化しうることが明らかになった。この結果を報告する論文が、Scientific Reportsに掲載される。

骨粗鬆症は、骨量の減少と骨構造の劣化を特徴とする疾患で、これにかかると骨折のリスクが高くなる。従来の研究では、正常に機能する幹細胞の減少が老化過程にとって重要な意味をもつ可能性があることが示唆されているが、老化と骨粗鬆症の関係は十分に解明されていない。

今回、L Tangたちが、老齢または若齢のドナーマウスの骨髄間葉系幹細胞(BMSC)を雌の老齢マウスに移植したところ、若齢マウスから移植した場合に老齢マウスの骨微細構造と骨密度が元のレベルに戻ったが、老齢マウスから移植した場合には、そのような効果は見られなかった。この結果は、若齢マウスのBMSCには、骨芽細胞など、さまざまな細胞への分化能があるのに対して、老齢マウスのBMSCは、何らかの理由で分化能が低下している可能性があることを示唆している。

さらに、若齢のドナーからBMSCの移植を受けたマウスは、寿命が有意に延びた。ただし、若齢のドナーからのBMSCの移植が寿命を延ばす過程はわかっていない。Tangたちは、若齢マウスから移植されたBMSCが、細胞や組織の再生を増強し、それによって老化過程が減速するのだと推測している。

doi: 10.1038/srep00067

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