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手術台でがんを画像化

Nature Medicine

2011年9月19日

Imaging tumours at the operating table

Nature Medicine

がん細胞で盛んに発現されている受容体を蛍光マーカーで標識することにより、卵巣がんを手術の最中にも直接見ることができるとの報告が寄せられている。この方法によれば、医師が、がん細胞の広がり具合を非常に詳しく知ることができる。

がんの手術の際に、どこまでががんか、境界を突き止めるのは普通は簡単ではない。これが制約となって、手術で取り切れなかったがん細胞が再び増殖し、再発につながることが多い。卵巣がん細胞では葉酸受容体が高度に発現されていることから、G van Damたちは葉酸に蛍光標識を結合させ、これを少数の卵巣がん患者の手術中に投与し、がんのリアルタイムでの画像化を試みた。

その結果、この化合物は患者に対しては無害であり、医師ががん細胞を見ることができるため、がんの進行度や広がり、散在の程度が正確につかめることがわかった。患者コホートを大きくしてさらに研究すれば、精度や感度など、この方法の診断上の有用性を、さらに詳しく明らかにするのに役立つだろう。

doi: 10.1038/nm.2472

英語の原文

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