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へたり込むラブラドール・レトリーバー

Nature Genetics

2008年9月22日

Downward dog

Nature Genetics

ラブラドール・レトリーバーの運動誘発性虚脱症候群の根底にある突然変異が同定された。この研究成果を報告する論文は、Nature Genetics(電子版)に掲載される。

1990年代、野外実地試験のために訓練を受けていたラブラドール・レトリーバーが発症する未知の症候群が観察され、その特性解析が、複数の獣医によって行われた。その症状としては、激しい運動の5~15分後に、足取りがおぼつかなくなるとともに体温が上昇し、最後には後肢がほぼ制御不能の状態に陥るというもので、ほとんどの場合は30分後に回復したが、死亡例が報告されることもあった。

今回、ミネソタ大学(米国セントポール)のE Pattersonらは、この症候群にかかったラブラドール・レトリーバーについてゲノム解析を行い、DNM1遺伝子の突然変異を同定した。この遺伝子には、ダイナミン1というタンパク質がコードされている。ダイナミン1は、ほぼ例外なく脳と脊髄で発現し、ニューロン間のシグナル伝達で極めて重要な役割を果たす。解析の結果、ラブラドール・レトリーバーの約37%が、この突然変異を1コピー有することが判明した。この突然変異の同定は、ブリーダーにとって有用な遺伝子検査の開発につながるかもしれない。

doi: 10.1038/ng.224

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