注目の論文
すべて結線ずみ
Nature Neuroscience
2011年12月26日
All wired up
Nature Neuroscience(電子版)の論文によると、脳のさまざまな部分間を物理的に結合すると、その領域内の神経活性を予想できることがわかった。物理的 結合と脳活性の対応をとることは、脳の働き方や、結合の仕方が自然に変わったときの脳の変化における個人差を理解するのに役立ちそうである。Z Sayginらは顔の認知に重要な紡錘状回に注目した。しかしこの領域の正確な神経活性パターンには、他の脳領域と同じように多くの個人差がある。Sayginらは紡錘状回とつながっているのがどの脳領域かを拡散トラクトグラフィーによって導き出し、個人特異的なこの領域の「結線図」を決定した。次に機能的磁気共鳴画像法で人が顔を見ているときの脳全体の活性を観測した。Sayginらはこの2つの実験から得た情報を組み合わせ、物理的結合パターンと脳の活性パターンがどれくらい合致するか見いだしている。さらに、この情報を利用して、別の被験者群でも被験者個人の物理的結合パターンだけで顔に対する活性パターンを正確に予想できた。これらの結果は、脳内の物理的結合に関する情報が、脳の働く仕組みの有力な指標になりうることを証明している。
doi: 10.1038/nn.3001
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