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【動物行動】ジンバブエ由来のショウジョウバエのメスが同郷のオスを好む理由

Scientific Reports

2012年1月20日

Animal behaviour: Zimbabwe fruit flies sniffy about foreign affairs

Scientific Reports

ジンバブエ由来のショウジョウバエ集団のメスは、ジンバブエ由来のオスと交尾し、他の地域に由来するオスとは交尾しない傾向が見られるが、その一因が、オスの体内に存在する特定のフェロモンの濃度である可能性が浮上した。今回の研究は、種分化に関与する感覚過程に関する理解を深めるものといえる。詳細を報告する論文は、今週、Scientific Reportsに掲載される。 初期の種分化が、ジンバブエ由来のショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の集団とその他の地域に由来するショウジョウバエ集団との間で観察されているが、その理由の解明は進んでいない。今回、J-F Ferveurたちが、8つのショウジョウバエ集団(ジンバブエ由来の2集団と他の地域に由来する6集団)を対象として、交尾行動を調べた。ジンバブエ系統のショウジョウバエの場合、メスが汎存種のオスを差別するため、他の系統からの著しい性的隔離が見られた。また、ジンバブエ系統のメスの交尾頻度は、オスの7‐トリコセン(7-T)濃度と負の相関を示した。7-Tは、クチクラ炭化水素で、性フェロモンとして作用することがある。逆に汎存種のメスは、7-T濃度の高いオスを好む傾向を示した。さらに、Ferveurたちは、7-Tを制御すると考えられる2つの遺伝子を同定したが、これらの遺伝子はメスの交尾相手の選択に直接関与していないことも明らかにした。 今回の研究は、7-Tのようなクチクラ炭化水素が交尾パターンにおいて果たす役割を明確にした。このように、ショウジョウバエの系統間の差異がフェロモンによる性的隔離に寄与することが明らかになったが、Ferveurたちは、こうした系統間の差異が、これ以外にも存在している可能性が非常に高いとも考えている。

doi: 10.1038/srep00224

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