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最も複雑なゼオライト構造の発見

Nature Chemistry

2012年1月30日

Pore performance

Nature Chemistry

これまでで最も複雑なゼオライト構造が発見されたことが、Nature Chemistry(電子版)に報告される。このゼオライトは、交差する三次元細孔構造を持っており、石油化学工業においてナフサをディーゼル燃料に変換する触媒として有望である(このような働きをする触媒は現在市販されていない)。 ゼオライトは、小分子との相互作用に適したサイズの細孔を持つ多孔性材料であり、「分子ふるい」として用いられたり、大分子を小分子に分解する触媒「クラッキング」に使用されたりする。しかし残念なことに、多孔性ゆえに小粒子や粉末を形成しがちであり、X線結晶構造解析法などの標準的手法で構造を解明することが困難である。X Zou、A Cormaらは、このたび、電子線結晶構造解析法を利用して、最も複雑な細孔系を持つゼオライト構造を発見した。結晶の大きさはわずか数ナノメートルであった。 このゼオライトは、ナフサをディーゼル燃料に変換する触媒として利用できる可能性がある。現在、ナフサは供給過剰であり、ディーゼルは需要が多いため、この触媒変換能は興味深い。

doi: 10.1038/nchem.1253

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