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早老症の新しい治療法

Nature Medicine

2008年6月30日

A new way to treat premature ageing

Nature Medicine

スタチンと骨疾患薬との組み合わせによって、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)のような早老症が治療できる可能性があるとの報告が寄せられている。

ヒトの早老症の中には、プロジェリンとよばれる変異タンパク質が原因で起こるものが、HGPSも含めていくつかある。プロジェリンは、プレニル化という生化学的修飾を受けると細胞の核膜に結合した状態になり、病気につながる。プロジェリアのマウスモデルで行われたこれまでの研究によれば、ある種類のプレニル化を受けもつファルネシル転移酵素(FT)という酵素の阻害剤は、核に異常が起こってプロジェリンが蓄積するのを妨げ、老化に似た症状を少し改善するという。

今回C Lopez-Otinたちは、プロジェリンがゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ(GGT)とよばれる酵素によってもプレニル化されることを明らかにした。これまでの研究でFT阻害剤の効果が低かったのは、これで説明できるかもしれない。また著者たちは、コレステロール降下剤であるスタチンとある種の骨疾患の治療薬(アミノビスフォスフォネート)とを組み合わせると、プロジェリンの修飾が妨げられて早老症マウスの老化に似た症状が著しく改善され、寿命が延びることを明らかにした。

今回の知見は、HGPSや他の早老症の新しい治療法を示している。

doi: 10.1038/nm1786

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