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不活性型を安定化させてカスパーゼ6を阻害する

Nature Chemical Biology

2012年6月11日

Inhibiting caspase-6 by stabilizing an inactive form

Nature Chemical Biology

細胞死を促進してアルツハイマー病に重大な影響を与える酵素「カスパーゼ6」を不活性化させるペプチドが、今週の「Nature Chemical Biology」で発表される。

カスパーゼは、細胞死および炎症反応を媒介する酵素である。カスパーゼには多くの阻害物質が知られているが、現時点でこの酵素を標的とする薬剤は存在しない。この標的群を目標とする薬物探索研究では、多くの場合、不可逆的な修飾によって酵素の活性部位を阻害する物質が得られている。そのような物質に長期間曝露されると肝毒性が生ずるため、この方法の臨床化は進展しておらず、この種の酵素を阻害する新しい方法が必要とされている。

Rami Hannoushたちは、新たな機構でカスパーゼ6を阻害するpep419というペプチドを発表している。これは、その酵素を阻害するための新しい戦略をもたらす可能性がある。細胞内で活性化されるとき、カスパーゼ6は不活性型から活性型に変化する。pep419は不活性型のカスパーゼ6と結合してこれを安定化させ、神経細胞内でカスパーゼ6の活性を選択的に阻害する。この研究成果は、pep419の活性を再現することがカスパーゼ6を標的化するための有効な薬物探索戦略である可能性を示している。

doi: 10.1038/nchembio.967

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