注目の論文
基底細胞がんに新たな危険因子
Nature Genetics
2008年10月13日
New risk factors for basal cell carcinoma
基底細胞がん(BCC)と関連する2つの遺伝的多型が同定され、Nature Genetics(電子版)に発表される。BCCは、ヨーロッパ系の人々に最も多いがんで、外見が損なわれることはあるが、他のタイプの皮膚がんほど致死性は高くない。
deCODE Genetics社(アイスランド・レイキャビク)のU Thorsteinsdottir、K Stefanssonらは、アイスランド人のBCC患者と非患者を対象とした全ゲノム関連解析を行い、さらに別のアイスランドと東欧のBCC患者集団で追試を行い、解析結果を再現した。そして、1番染色体上の異なる領域内に位置する2つの多型をBCCの素因として同定した。これまでに同定されていたBCCと関連するリスク多型は、色白の肌とも関連していたが、1番染色体上の2つの多型は色白と関連していなかった。このことから、2つの多型が、別の経路でBCCの発症リスクを高めていることが示唆されている。
Thorsteinsdottirらは、これまでに判明したBCCの遺伝的危険因子を考慮に入れ、既知のリスク多型の全部につき2個のコピーをもつ人は、それぞれのリスク多型以外のものを2個ずつもっている人と比べて、発症リスクが12倍以上高いことを明らかにしている。
doi: 10.1038/ng.234
注目の論文
-
7月11日
古代ゲノミクス:疫病に襲われた新石器時代の農民たちNature
-
7月10日
バイオテクノロジー: 培養肉の風味を改善するNature Communications
-
7月9日
微生物学:自閉症スペクトラム障害は子どもの腸内細菌叢の変化と関連するNature Microbiology
-
7月9日
ウイルス学:牛H5N1インフルエンザの感染と伝播Nature
-
7月4日
考古学:チベット高原でデニソワ人が活動していたことを示す動物の骨Nature
-
7月4日
古生物学:オオサンショウウオに似た捕食動物Nature