注目の論文
【生態】環境が厳しくなると争いをやめる鳥たち
Nature Communications
2012年6月7日
Ecology: When the going gets tough, these birds stop fighting
台湾産の特定の鳥類種が、不利な環境条件下で通常より協力的にふるまうことがわかった。このことは、生態学的要因が協力行動と競争行動に影響する過程、特に、今回の研究では鳥類間の社会的対立を低減させる過程を明らかにしている。この研究結果は、今週、Nature Communicationsで発表される。
カンムリチメドリの場合には、血縁関係のない個体が集団巣で生活している。今回、S-F Shenたちは、カンムリチメドリの繁殖群を数年間観察した。この集団巣では、産卵期になると雌どうしが巣への出入りを激しく争うことがある。Shenたちは、今回の観察結果とゲーム理論のモデルによる予測の組合せに基づき、カンムリチメドリが降水量の多い時期、つまり、鳥類にとって不利な生態学的条件のある場合に協力的になるという見解を示している。今回の研究によって得られた知見は、理想的とはいえない環境条件の場合に協力的な戦略をとることで、ひな鳥の生存率が高まり、繁殖群のさらなる繁栄が得られることを示唆している。
doi: 10.1038/ncomms1894
注目の論文
-
12月13日
Nature Medicine:2025年の医療に影響を与える11の臨床試験Nature Medicine
-
12月13日
進化:最古の現生人類ゲノムから、4万5,000年前にネアンデルタールとの混血があったことが判明Nature
-
12月12日
進化:ワニはどのようにして皮膚を得たのかNature
-
12月12日
天文学:Firefly Sparkleが初期の銀河形成に光を当てるNature
-
12月12日
医学:マウスの子癇前症に対するmRNA療法の提供Nature
-
12月10日
加齢:脳の老化に関連する重要なタンパク質の発見Nature Aging