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オオムギは遺伝子修飾を通じて有毒な土壌への耐性を高めた

Nature Communications

2012年3月7日

Barley modifies gene to tolerate toxic soil

Nature Communications

オオムギは、特定の遺伝子の修飾によって、植物の生育に有毒なアルミを含む酸性土壌での生育に適応したことを報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。この適応は、日本、韓国と中国で生育するアルミ耐性オオムギのみに見られるもので、ここ3000年間の進化で、東アジアで一般的に見られる酸性土壌で生育できるようになった過程を明らかにしている。 アルミ毒性は、世界の耕地の30〜40%を占める酸性土壌での作物の生育にとっての大きな制約要因となっている。オオムギのような植物は、クエン酸塩のような負に荷電したイオンを土壌中に分泌して、アルミが根細胞の細胞成分に結合しないようにできる。今回、馬建鋒(J F Ma)たちは、栽培種のオオムギのアルミ耐性が、アルミ耐性遺伝子HvAACT1における1キロベース長の配列の挿入によって生じることを発見した。こうして修飾された遺伝子は、土壌中へクエン酸塩を分泌させる作用があり、オオムギの根が鉄のような必須金属を吸収できるようにし、やはり土壌中に含まれるアルミを解毒する作用もある。

doi: 10.1038/ncomms1726

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