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メタトロン:動物の分散を研究するための施設

Nature Methods

2012年7月17日

The Metatron: a system to study animal dispersal

Nature Methods

従来なかった規模で動物の分散を研究するための制御された実験施設が、今週のNature Methodsの掲載論文で紹介される。この方法論により、生態学および保全生物学研究でこれまで不可能であった実験を行うことができるようになる。

動物は、人類の活動による環境の変化や生息地の分断化など、さまざまな理由で生息地から分散する。その過程に影響を与える要因の研究は容易ではない。それは、既存の実験方式に規模と環境制御とのトレードオフがあるためである。小さな実験室的設備では気候変数の制御が可能であるが、それは野外の条件を実際的に模倣するものではなく、小さな生物にしか利用することができないのが普通である。大規模な野外実験では、環境を制御することができない。

Jean Clobertたちは「メタトロン」でその溝を埋めた。これは、フランス南部の4ヘクタールの土地に作られた48区画の生息地の施設である。メタトロンの各区画では、温度、湿度、および光を実験用に制御することができる。各区画は柔軟性のある通路で結ばれており、分散する動物に度合いの異なる障壁が与えられる。パイロット実験では、メタトロンでトカゲおよびチョウの分散が調べられた。この施設は、多くの生物の分散を研究し、変化する環境条件によって分散がどのような影響を受けるかを明らかにするのに有用と考えられる。

doi: 10.1038/nmeth.2104

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