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赤ん坊を守る

Nature Immunology

2012年8月6日

Protecting baby

Nature Immunology

乳児はウイルス感染を撃退する力が弱いが、マウスで行われた研究によって、その理由が説明された。

ナチュラルキラー(NK)細胞はウイルス感染との闘いを助ける白血球の一種で、特に感染初期にウイルスの複製を抑制するのに重要な役割を果たしている。

若いマウスもヒトの乳児と同様にウイルス感染を受けやすいが、Yasmina Laouarたちは、それが成熟NK細胞をもたないためであることを発見した。その原因を調べたLaouarたちは、TGF-βという分子が未熟なNK細胞前駆体の増殖を抑え、完全な機能をもつエフェクター細胞への成熟を阻害することを明らかにした。TGF-βに反応できない血液細胞をもつ新生仔マウス、幼仔マウスでは、機能をもったNK細胞が生じ、ウイルス感染を撃退する。TGF-βは有害な炎症を防いで個体を守ると普通には考えられているが、若いマウスでは、ウイルス攻撃から身を守るはずの免疫応答をTGF-βが妨げてしまう。これがヒトにも当てはまるかどうかを知るには、今後さらに研究が必要であろう。

doi: 10.1038/ni.2388

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