注目の論文
バレット食道に関連する遺伝子多様体
Nature Genetics
2012年9月10日
Variants associated with Barrett’s esophagus
このほど、バレット食道に関連する遺伝子多様体が同定された。バレット食道は、広く見られる前がん状態で、胃酸の逆流が関係しており、食道内壁の損傷を伴う。これは、死亡率が高いがんの一つである食道腺がんの危険因子となっている。この研究結果を報告する論文が、今週、Nature Genetics(オンライン版)に掲載される。
今回、P Donnellyたちは、1,852症例と対照(5,172例)について、初めてのバレット食道に関するゲノムワイド関連解析を行い、その後、5,986症例と対照(12,825例)で追試を行い、解析結果の再現性を確認した。この解析で、バレット食道に関連する2つのゲノム領域が同定され、食道と胃における構造的要因がバレット食道に対する感受性に何らかの役割を果たすことが示唆されている。また、Donnellyたちは、バレット食道と体重指標に同じ遺伝的影響が見られることを示す証拠を発見した。バレット食道と肥満との間に関連のあることは、すでに確立されているが、今回の発見によって、この関連を説明できるかもしれない。
doi: 10.1038/ng.2408
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