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ミツバチの行動を変える

Nature Neuroscience

2012年9月17日

Changing honeybee behaviour

Nature Neuroscience

同じ群れにいる遺伝的にきわめてよく似ているミツバチどうしでも、役割は多様であり、その違いをDNAメチル化パターンがもたらしている可能 性があるとの報告が、今週号のNature Neuroscience誌に掲載される論文にある。

ミツバチの雌胚は、与えられる餌に応じて女王バチにも働きバチにもなりうる。Andrew Feinbergらは2種類の働きバチについて研究した。1つはほかのハチに餌を与える育児バチで、もう1つは巣箱から遠出して餌を集める外勤バチであ る。これら2種類のハチは異なる作業を行うが、その役割は固定されておらず、育児バチは後に外勤バチに変わることもある。女王蜂の行動が固定 されており、働きバチには変換できないのとは大きく異なる。

種類の異なるミツバチで遺伝子を構成するDNAの塩基配列に体系的な違いはまったくないが、遺伝子発現を調節するDNAメチル化のパターンが 外勤バチと育児バチで異なっていることをFeinbergらは発見した。Feinbergらが外勤バチに細工してその行動を変え、育児バチの ような行動をとるようにさせたところ、メチル化パターンも同様に育児バチのパターンと似たものに変わっていた。

この研究は、メチル化パターンとミツバチの社会構造に密接な関連があることを示唆しており、塩基配列そのものにはかかわらない変化であって も、ゲノムに生じた変化が行動を調整できることを示す例を提供している。

doi: 10.1038/nn.3218

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