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花弁に色をつける

Nature Cell Biology

2008年11月10日

Giving petals their colour

Nature Cell Biology

ペチュニアの花弁が正常に色づくための制御に重要な役割をもつタンパク質が報告された。この研究は、花弁の細胞中の重要なタンパク質の遺伝的操作にかかわるもので、これにより将来さまざまな色の花弁を作り出させるようになるかもしれない。

花の色素は、花弁の細胞内で液胞と呼ばれる区画に集積する。しかし、こうした色素があるだけではペチュニアでおなじみのピンクとか赤の花弁を作り出すことはできず、花弁がピンクや赤になるには液胞内が酸性でなければならない。液胞内がアルカリ性だと、花弁は青色になる。花弁の色素の濃度を制御する因子はすでに知られていたが、液胞の酸性度を調節する仕組みはまだはっきりしていなかった。

F Quattrocchioたちは、PH5と呼ばれるタンパク質がポンプのように働いて液胞内の環境を酸性にしていることを見いだした。PH5遺伝子に変異が起こると液胞の酸性度が低下して、その結果青色のペチュニアができる。著者たちは、花の色素の濃度を制御している因子群がPH5の発現も制御していることも突き止めた。これは色素と、色素が適切に働けるようにするタンパク質が一緒に存在していることを確証する結果である。

PH5の遺伝子操作により液胞内環境を変えられるようになれば、新しい花色のペチュニアを作り出すのに役立つ可能性があり、これは将来、遺伝子操作によりさまざまな色の花を作り出すのにつながるかもしれない。

doi: 10.1038/ncb1805

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