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がん特異的骨髄造血

Nature Immunology

2013年1月28日

Cancer-specific myelopoiesis

Nature Immunology

がんが骨髄系細胞の正常な発生経路を変化させることが、腫瘍に対する免疫応答を抑制する抑制精細胞の蓄積につながることが明らかになった。

多形核(PMN)細胞と単球という2種類の骨髄細胞は、共通の親細胞から異なった経路を経て発生する。腫瘍をもつヒトやマウスでは、M-MDSC(単球系骨髄由来免疫抑制細胞)とPMN-MDSCという異なった機能を持つ骨髄細胞が、劇的に増加する。これらの細胞は、単球やPMN細胞と同一の発生経路を経て分化すると考えられてきた。Dmitry Gabrilovichたちは、がんでは、細胞の増殖と分化を制御することが知られている転写因子Rb1が下方制御されることにより、M-MDSCが直接PMN-MDSCへと分化することを明らかにした。MDSCは腫瘍に対する免疫を負に調節して腫瘍の成長と転移を促進することが知られており、M-MDSCがPMN-MDSCの前駆体と同定されたことは、がんの治療に重要な意味をもつ可能性がある。

doi: 10.1038/ni.2526

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