注目の論文
前立腺中の「浸潤性が高い」細胞群
Nature Cell Biology
2013年2月25日
The ‘aggressive’ prostate compartment
前立腺中の特定のタイプの細胞を起源とする腫瘍は、それ以外の細胞から生じる腫瘍よりも浸潤性が高いことがわかった。この研究から、前立腺の管腔細胞に起源を持つ腫瘍は一般に、患者の予後不良と関連すると考えられる。
M Shenたちは、前立腺がんのマウスモデルを使って、前立腺中の異なるタイプの細胞を起源とする腫瘍は、それぞれ異なる分子シグネチャーをもつようになることを明らかにしている。この分析から、前立腺の管腔細胞から生じた腫瘍は基底細胞から生じたものよりも浸潤性が高いという結果が得られた。基底細胞に由来する腫瘍が腫瘍促進因子の働きによって管腔型腫瘍に似るようになった場合でも、これと同様の結果が見られた。
Shenたちは、マウス前立腺中の細胞について遺伝学的な細胞系譜追跡実験も行い、前立腺の再生や生体組織の恒常性維持の際に、基底細胞が可塑性を示すことを実証した。基底細胞の一部は必要に応じて管腔細胞へと細胞運命を切り替えることが可能らしいので、今回の知見は重要なものになるだろう。
doi: 10.1038/ncb2697
注目の論文
-
12月24日
進化:ほかのチンパンジーよりもナッツ割りが得意なチンパンジーがいるNature Human Behaviour
-
12月24日
考古学:植民地化以前のアマゾンの住民は「田園都市」でアヒルに餌を与え、トウモロコシを食べていたNature Human Behaviour
-
12月13日
Nature Medicine:2025年の医療に影響を与える11の臨床試験Nature Medicine
-
12月13日
進化:最古の現生人類ゲノムから、4万5,000年前にネアンデルタールとの混血があったことが判明Nature
-
12月12日
進化:ワニはどのようにして皮膚を得たのかNature
-
12月12日
天文学:Firefly Sparkleが初期の銀河形成に光を当てるNature