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【神経科学】ブレイン・ブレイン・インターフェースを用いた2大陸間での脳情報伝達

Scientific Reports

2013年2月28日

Neuroscience: Brain-to-brain interface crosses continents

Scientific Reports

2匹のラットの脳の間で感覚情報と運動情報を直接リアルタイムで伝達するブレイン・ブレイン・インターフェースについて記述した論文が、今週掲載される。今回の研究結果は、新しい形態の動物コミュニケーションを示す可能性のある原理の証明といえる。

今回、M Nicolelisたちは、随意運動に関連する一次運動皮質や触覚に関連する体性感覚皮質といった主要な脳領域にマイクロワイヤーアレイを移植されたラットのペアを用いて研究を行った。「符号器」の役割を果たすラットには、触覚刺激又は視覚刺激の2つの選択肢から1つを選ばなければならない課題を行えるように訓練した。そして、その皮質活動を記録し、解析して、微小刺激パターンに変換し、「復号器」の役割を果たす第2のラットの対応する脳領域に転送した。「復号器」のラットには、「符号器」のラットの脳から提供された情報によって、そのラットと同じ行動決定ができるように学習させた。この両方の課題で、「復号器」のラットの成績は、偶然よりも有意に優れていた。このことは、情報の伝達が正確で安定していたことを示唆している。また、Nicolelisたちは、「符号器」と「復号器」のラットを数千マイル離して配置できることも実証した。つまり、ブレイン・ブレイン・インターフェースを用いて、ブラジルにいる「符号器」のラットから米国ノースカロライナ州の「復号器」のラットへの情報伝達に成功したのだ。

この研究で得られた知見は、動物の脳を接続して複雑系が作製されたことを暗示しているとNicolelisたちは考えている。また、ブレイン・ブレイン・インターフェースを利用することで、将来的には、ペアやネットワークを構成する動物の脳を用いて情報の交換と処理、保存ができるようになる可能性が示唆されている。なお、脳が、ブレイン・ブレイン・インターフェースと自然の刺激を介して受け取った情報を同時に統合する過程を確定するには、さらなる研究が必要となる。

doi: 10.1038/srep01319

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