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【生態】性的役割の逆転と成鳥の性比の関係

Nature Communications

2013年3月13日

Ecology: The sex role reversal

Nature Communications

雄と雌のシギ・チドリ類に関する伝統的な性的役割は、種内で雄の成鳥の数が多くなると逆転することが判明した。

自然界では、雄と結びついた一連の伝統的な役割と雌と結びついた別の一連の役割がある。雄は、雌を獲得するために他の雄と争うことが多く、雌は、通常、子育てに力を尽くしている。ところが、一部の種において、こうした役割の逆転が生じることが明らかになっていた。

今回、A Likerたちは、シギ・チドリ類において、社会環境が繁殖様式に強い影響を及ぼすことを初めて証明した。Likerたちの研究データでは、雌の成鳥が雄の成鳥より多いシギ・チドリ類の種において、伝統的な性的役割が見られ、雄の成鳥が雌の成鳥より多い種では、性的役割が逆転し、雌が雄を獲得するために争い、雄が子育てを行うことが示唆されており、雄と雌の行動は、成鳥の性比に応じて進化的に変化すると結論づけられた。

成鳥の性比は、交尾や親としての行動と関連していると考えられるだけでなく、社会的行動の他の側面にも影響する可能性がある。Likerたちは、同性同士のペアリングや協同繁殖も成鳥の性比によって影響を受けている可能性を論じているが、この点に関する新たな証拠を得るためには今後の研究の積み重ねが必要となる。

doi: 10.1038/ncomms2600

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