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免疫系の監視員

Nature Immunology

2013年4月1日

Immune watchdogs

Nature Immunology

再感染の際には、免疫記憶細胞がサイレンを鳴らし、周辺の細胞に警報を発することが明らかになった。

ウイルスなどの病原体に二度目に出会ったときには、前よりも速く、強い免疫応答が起こる。この応答の速さが、ワクチン接種戦略の基盤である。David Masopustはマウスの雌性生殖器官における免疫応答に着目し、組織に存在するCD8+エフェクター記憶T細胞という免疫細胞が、局所的なセンサーとして働き、周辺の細胞に警報を伝えることを明らかにした。この情報伝達により化学誘引物質が放出されて、さらに多くの記憶細胞が再感染部位へと引き寄せられる。この警戒警報のおかげで、免疫細胞は以前よりも速く反応し、病原体が再び侵入してきた部位で感染再発と闘うことができる。

これらの知見から、将来に起こる感染と闘うのには、粘膜などの局所組織に記憶T細胞を定着させるようなワクチン接種が有利なことがわかった。

doi: 10.1038/ni.2568

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