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怖い記憶を消去

Nature Neuroscience

2009年2月16日

Erasing fearful memories

Nature Neuroscience

Nature Neuroscience(電子版)に、ヒトが恐怖の記憶を呼び戻さないようにする方法が発見されたとの報告が発表される。外傷後ストレス障害(PTSD)の患者の情動的な記憶を弱めたり消し去ったりするのに、βアドレナリン受容体遮断薬を用いた方法が効くのかもしれない。

動物モデルによる研究で、恐怖の記憶は思い出すことによって変更可能になることが明らかにされている。再固定化として知られるこの段階は、βアドレナリン受容体遮断薬で阻害されることもわかっている。M Kindtらは、軽い刺激を与えてクモの絵をみると恐怖の記憶を呼び起こすよう学習をした被験者に、β遮断薬であるプロパノールか偽薬を投与し、二重盲検比較試験を行った。Kindtらは、プロパノール投与群は、24時間後のクモの絵に対する恐怖反応が大きく低下することを見いだした。プロパノールを投与された被験者は恐怖反応がよみがえってくることも目立ってなかったので、恐怖の記憶は完全に消し去られたものと示唆される。

doi: 10.1038/nn.2271

英語の原文

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