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複雑な細孔構造

Nature Chemistry

2009年4月7日

Pores for complexity

Nature Chemistry

これまでで最も複雑な細孔構造をもつ材料が、Nature Chemistry(電子版)に報告される。このメソポーラスシリカは、別々の3つの細孔系が絡み合った構造をとる。これまでの例では、2つの絡み合った細孔系からなる構造に限られており、1グラムあたり約1,000平方メートルという膨大な表面積のおかげで「分子ふるい」として広く使用されている。

直径わずか数ナノメートルの細孔をもつメソポーラス材料は、触媒担体、光学素子、石油留分の分離など、幅広い用途に役立っており、石油中のあらゆる分子がそのような材料の細孔を通過してきた。

J Ying、X Zouおよび共同研究者らは、複雑な構造を作り上げるための新しい鋳型剤を設計した。研究者らが使用した鋳型分子は、大きな頭部基と長い尾部をもつ。3つの絡み合った細孔系を形成する鍵は、頭部基の大きさと尾部の疎水性の度合いのちょうどよいバランスを見いだすことであった。研究者らは、この材料のファイバー内に長いチャネルと短いチャネルが存在することから、方向によって拡散速度が変わるため、分離や放出制御に応用できるかもしれないと示唆している。

doi: 10.1038/nchem.166

英語の原文

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