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一般的な抗生物質の副作用に影響する遺伝子多型

Nature Genetics

2009年6月1日

Genetic variation influences adverse reaction to common antibiotic

Nature Genetics

一般的な遺伝的個人差が、抗生物質フルクロキサシリンの副作用によってまれな重症肝障害を発症する可能性に影響を及ぼす、という研究結果を報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。

フルクロキサシリンは、ヨーロッパとオーストラリアでブドウ球菌感染症の治療に広く用いられている。このほどニューカッスル大学(英)のA Dalyらは、フルクロキサシリン投与後の肝障害の発症リスクと関連する遺伝子多型をもつ人がこのように肝障害を発症する確率が、この遺伝子多型をもたない人より80~100倍高いことを見いだした。

こうしたリスクと関連する遺伝子多型は、北欧系の人々に比較的多くみられるが、アフリカ系とアジア系では、相対的に少ない。この遺伝子多型をもつ者が肝障害を発症するリスクは、もたない者よりも相当に高いが、この多型をもつ者のうち、実際にフルクロキサシリン投与後に肝障害を発症する者は、ごく一部である。それゆえ、遺伝子検査が治療法選択の指針として臨床的に有用かどうかを判断するためには、さらなる検証が必要となるだろう。

doi: 10.1038/ng.379

英語の原文

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