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恐怖の表情で知覚が強化

Nature Neuroscience

2008年6月16日

Expressing fear enhances perception

Nature Neuroscience

恐怖や嫌悪感など、情動性の顔の表情は偶然でき上がったものなのか。Nature Neuroscience(電子版)に発表される研究は、情動性の顔の表情が無作為に進化したのではなく、感覚体験を変更するのに役立つことを証拠づけている。このことは、チャールズ・ダーウィン以来示唆されていた。

J Susskindらは、人は恐怖の表情を浮かべると、視野が広がり、眼球運動が速まり、鼻腔が広がり、呼気の気速が速くなると自覚することを見いだした。恐怖の表情を浮かべているときは、ずっと遠くの標的を検知することもできた。恐怖とは客観的に正反対である嫌悪感の表情だと、視野が狭くなり鼻腔が狭まったという自覚症状が報告され、逆の結果になった。

このような結果から、恐怖は外部情報に対する知覚を強化するように働き、嫌悪感は知覚を低下させることが示唆される。

doi: 10.1038/nn.2138

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