注目の論文
アンジェルマン症候群における経験依存性の脳の変化
Nature Neuroscience
2009年5月11日
Experience-dependent brain changes in Angelman syndrome
アンジェルマン症候群(AS)のモデルマウスでは、感覚経験に依存した脳の視覚野の変化が混乱していることが、Nature Neuroscience(電子版)の論文で報告されている。
アンジェルマン症候群(AS)は遺伝性の精神遅滞で、UBE3A遺伝子の母方の対立遺伝子が変異または欠失して起こる。通常、脳の視覚野では視覚経験に導かれて回路網が発達する。B Philpotらは、UBE3Aを欠損したASマウスがこのような感覚経験に依存した成熟過程を示さないことを報告している。しかし、この経験に依存した可塑性は感覚遮断(マウスを暗い環境で飼育する)によって回復した。
この研究はヒトASにおいて、レット症候群や脆弱X症候群など精神遅滞のほかの型と同様に、脳の発達異常を引き起こす仕組みがありうることを指し示す。
doi: 10.1038/nn.2327
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