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肺線維症との戦い

Nature Medicine

2009年8月24日

Fighting fibrosis

Nature Medicine

肺線維症の治療を目指す薬剤にとっての新たな標的候補が見つかった。

NADPHオキシダーゼ(NOX)は、フリーラジカルの産生を触媒する酵素である。このフリーラジカルには、病原体やその有害な影響(例えば細胞死の誘導)と戦うといった有益な作用があると考えられている。

V Thannickalたちは、NOXの一種であるNOX-4が肺線維症において果たす役割について報告している。それによれば、NOX-4は、線維症の特徴である筋線維芽細胞の分化と、細胞外マトリックスの産生を誘導する過酸化水素の発生に必要なことがわかった。NOX-4は、肺線維症患者の肺で発現が増加する。また、NOX-4に遺伝子操作を加えたり、NOX-4を標的とする薬剤を用いたりしたところ、肺線維症のマウスモデル2匹において、線維症の予防効果が見られた。

これらの知見は、NOX-4が肺線維症において何らかの役割を果たしていることを裏付けており、現状では治療法のない肺線維症においてNOX-4を治療標的とする糸口となる。

doi: 10.1038/nm.2005

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