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特殊な皮膚ヘルパー

Nature Immunology

2009年7月6日

Specialized skin helpers

Nature Immunology

皮膚感染との戦いを専門に担う新種の免疫細胞を同定したとの報告が2つ寄せられている。この研究が、乾癬やアトピー性皮膚炎といった皮膚症状の治療法開発に役立つ可能性がある。

同定された特殊な細胞はTH-22細胞とよばれ、皮膚の炎症や創傷治癒にかかわる化学メディエーターとして知られているインターロイキン22(IL-22)を分泌する。F SallustoとH Spitsをリーダーとする2つの研究グループはどちらも、このTH-22細胞がCCR6、CCR4、CCR10という受容体を発現し、これが細胞を皮膚へと誘導することを明らかにした。F Sallustoのグループはさらに、TH-22細胞が、IL-6とよばれる化学メディエーターとある種の情報伝達分子の放出を介して、形質細胞様細胞とよばれる独特な免疫提示細胞によって作られることも明らかにした。

SallustoたちもSpitsたちも、このTH-22細胞のスイッチが入ったままになると悪循環が起こり、乾癬やアトピー性皮膚炎のような皮膚疾患につながる可能性があると考えている。

doi: 10.1038/ni.1767

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