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眼・顔面・心臓・歯症候群の原因に迫る

Nature Cell Biology

2009年7月6日

Getting to the root of oculo-facial-cardio-dental syndrome

Nature Cell Biology

眼・顔面・心臓・歯症候群(OFCD)はまれな遺伝的疾患で、長い歯根、頭蓋顔面と心臓および眼の異常が特徴だが、この疾患の原因に関するてがかりが得られた。この研究は、OFCDを引き起こす過程の解明に役立ちそうだ。

胚発生の際の遺伝子発現の停止にかかわるタンパク質であるBCORの変異がOFCDに関連があるのは既に知られているが、BCORの機能が障害されるとOFCDでみられるような欠陥がどうして生じるのか、その仕組みはわかっていない。C Yangたちは、OFCD患者の歯根から単離した間葉系幹細胞は、歯および骨の細胞に分化する傾向が強くなっていることを見いだした。これらの細胞でBCORを発現させると、分化傾向が正常に戻った。一方、正常な間葉系幹細胞からBCORを除去すると、やはり骨と歯の形成が増強されるようになることもわかった。

Yangたちはまた、頭蓋顔面の発生への関与が知られている転写因子がOFCD患者の歯根由来の間葉系幹細胞で高度に発現していることも明らかにしている。この転写因子を細胞から除去すると、歯や骨の細胞に分化しやすいという性質が解消され、この転写因子がこのような変化の原因であることが示された。

これらの知見は、OFCD患者でみられる歯と頭蓋顔面の形態的異常の分子レベルでの説明となる。

doi: 10.1038/ncb1913

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