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筋萎縮性側索硬化症に対する感受性

Nature Genetics

2009年9月7日

Susceptibility to ALS

Nature Genetics

筋萎縮性側索硬化症(ALS;別名:ルー・ゲーリック病)との遺伝的関連が新たに2つ見いだされたことを報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。今回同定された関連は、ALS特有の神経変性に関与する複数の経路を示唆している可能性がある。

ALSは進行性神経変性疾患の一種で、脊髄、脳幹、大脳皮質運動野の運動ニューロンの脱落を特徴とし、その結果、筋肉が萎縮し、最終的には麻痺が起こる。

今回、ユトレヒト大学医療センター(オランダ)のL van den Bergらは、孤発性ALSに関する大規模ゲノムワイド関連解析を実施し、既に同定されているALSとの遺伝的関連の一部を再現したことに加えて、ALSに関連する2つの遺伝子領域を新たに同定した。関連遺伝子候補の1つは、UNC13A遺伝子で、中枢シナプスと神経筋シナプス内に分布するシナプス前タンパク質をコードしている。このタンパク質は、神経伝達物質の放出を制御することから、このタンパク質が関与してALSの進行に伴う特有の運動ニューロン変性を発生させる機構の存在が示唆される。第二の遺伝的関連は、これまでに家族性ALSや特定のタイプの認知症の患者と関係すると考えられてきた遺伝子領域内で生じている。

doi: 10.1038/ng.442

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