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脊髄を損傷したラットの回復動作

Nature Neuroscience

2009年8月10日

Recovering movement after spinal cord injury in rats

Nature Neuroscience

脊髄をひどく損傷したラットの前肢機能が特別な運動と特定のタンパク質による処置を組み合わせて改善できるという研究結果が、Nature Neuroscience(電子版)に報告されている。

現在、重度の脊髄損傷で生じる四肢麻痺患者の四肢機能の回復を補助する有用な手段はない。動物では、コンドロイチナーゼとよばれる酵素を脊髄に注入すると、神経繊維の相当程度の増殖が誘発される。しかし、この増殖は方向が定まらず、麻痺した動物の四肢機能の改善にはあまり有効ではない。

J Fawcettらは、細かい四肢機能訓練とコンドロイチナーゼによる処置を組み合わせるという治療によって、コンドロイチナーゼ処置をしなかったラットに比べ2倍の四肢機能の改善がみられたという研究結果を報告した。

ヒト患者に対して適用する前に、これらの脊髄損傷に対するコンドロイチナーゼ注入の副作用をさらに研究すべきではあるが、この研究結果は重度の脊髄損傷に対する新しい治療法の可能性を示している。

doi: 10.1038/nn.2377

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