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エネルギーを使わずに、ダイエット

Nature Medicine

2009年9月21日

Losing weight without too much energy

Nature Medicine

食物摂取を制御することが知られている脳の視床下部でのインスリン情報伝達が肥満とどのようにかかわっているのか、その経路がマウスで明らかになった。この発見が、肥満の治療と減量の新しいモデルにつながる可能性がある。

体重の増加を抑えたいと悩む場合、1つの方法は食べる量を減らすことだが、食物摂取量が減少すると使われるエネルギーの量も自然に減り、これが一因となって、再び肥満に戻ってしまう結果になる。食物摂取とエネルギー消費の調節には、インスリンをはじめとするさまざまなホルモンが、重要な役割を果たしている。

インスリンは、視床下部ニューロンの転写因子FoxO1を介して、食物摂取を阻害することが知られている。D Acciliたちは、マウスの視床下部のFoxO1量を大幅に減少させると、エネルギー消費を減らすことなく食物摂取量を減らせることを発見した。また、視床下部のFoxO1の減少が、逆にCpeという酵素の局所濃度を増加させることも明らかにした。このCpeは、食物摂取の調節にかかわるほかの重要なホルモンの適切な成熟に必要な酵素である。Cpeを過剰に発現させる実験を別に行ったところ、Cpeがエネルギー消費を変化させずにマウスの体重増加を防ぐことが明らかになり、FoxO1とCpeの関係が確認された。

食物摂取とエネルギー消費を切り離すことで、肥満治療に新しい可能性が生まれる。

doi: 10.1038/nm.2026

英語の原文

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