注目の論文
前立腺がんリスクに関連する遺伝的多型
Nature Genetics
2009年9月21日
Variants in prostate cancer
前立腺がんの高いリスクに関連する遺伝的多型が複数同定されたことを報告する4本の論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。
がん研究所(英国サリー州サットン)のR Eelesとデコード社(アイスランド・レイキャビク)のJ Gudmundssonをそれぞれリーダーとする2つの研究チームは、数千人の前立腺がん患者のゲノムを調査した。前立腺がんは、男性のがんで2番目に多く、全世界で10万人当たり約25人が罹患している。この2つの研究では、前立腺がんの高いリスクに関連する8つの遺伝子座が同定され、さらに、前立腺がんのリスクを生む2つの新たな遺伝的多型が8q24上に同定された。
8q24上の領域は、乳がん、結腸がん、膀胱がんに関連することが既に明らかになっている。これまでのところ、この領域に、タンパク質をコードする遺伝子は具体的に同定されていないが、がん遺伝子MYCは、この領域に隣接して位置している。ケンブリッジ大学(英国)のD Eastonらは、8q24の包括的な解析を行い、前立腺がんのリスクに関連する2つの領域を新たに同定した。国立がん研究所(米国メリーランド州フレデリック)のM Yeagerらは、Eastonが同定した8q24上の前立腺がんのリスクに関連する新たな多型のうちの1つを独自に同定した。以上4つの研究によって、8q24上の遺伝子座に関する研究を深める必要性が強調されている。この領域での今後の発見が、複数のタイプのがんに関係する可能性が高いからである。
doi: 10.1038/ng.450
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