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Nature Immunology

2009年3月2日

First-rate help

Nature Immunology

ワクチン接種に応じて免疫細胞がどのようにコミュニケーションをとるかを、新たに2つの論文が詳しく明らかにしている。この情報伝達のおかげで、体は長期にわたって非常に有効な抗体生産ができる。この過程をさらに解明すれば、ワクチンの剤形改良につながるかもしれない。

2つの論文とも、濾胞性ヘルパーT細胞(TFH)とよばれる特殊な免疫細胞の相互作用や、この細胞と抗体産生B細胞との相互作用に着目している。M McHeyzer-Williamsたちは、免疫原となるタンパク質に対して最も強い親和性をもつT細胞だけが、リンパ節や脾臓でTFH細胞になることを明らかにした。TFH細胞は次にリンパ濾胞で、ダンスのパートナーのようにB細胞と接触する。

R Locksleyたちは、TFH細胞がパートナーとなるB細胞に対して直接、サイトカインとよばれる化学シグナルを出すことを明らかにした。このシグナルによってB細胞は抗体をコードする遺伝子を微調整し、最も効果的に免疫応答を発動できるように高い親和性をもつ抗体を産生する。

doi: 10.1038/ni.1704

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