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がんにも見つかったパーキンソン病関連遺伝子の変異

Nature Genetics

2009年11月30日

Parkinson's gene mutated in cancer

Nature Genetics

早期発症型パーキンソン病において高頻度に変異しているPARK2遺伝子が、神経膠芽腫、大腸がん、肺がんの場合にも変異していることを報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。この研究結果は、PARK2遺伝子の生殖細胞系列変異がニューロンの異常を引き起こしてパーキンソン病を発症させる一方で、PARK2遺伝子の体細胞変異ががんの一因となることを示唆している。

パーキンソン病は、一般的な神経変性疾患で、全世界で400万人以上の患者がいる。多くのパーキンソン病症例では、パーキンソン病の家族歴のない人々が発症している。それでも全症例の15%は、同病の家族歴のある患者で、その多くはPARK2など既知の関連遺伝子の変異がある。PARK2遺伝子の生殖細胞系列変異があると、若くして脳内の特定のニューロンが失われるが、同遺伝子は、肺、大腸、精巣などほかの組織で発現することも知られている。

スローン・ケタリング記念がんセンター(米国ニューヨーク州)のT Chanらは、脳腫瘍の中でもアグレッシブな神経膠芽腫の約2%と大腸がん検体の6%において、PARK2遺伝子の両方の対立遺伝子に欠失を見いだし、神経膠芽腫と肺がんにおいてPARK2遺伝子の変異を同定した。さらに行われた機能実験では、このようながん特異的なPARK2遺伝子変異が、PARK2タンパク質の細胞増殖抑制作用に影響を及ぼしていることが判明した。

doi: 10.1038/ng.491

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