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【遺伝】精神疾患の発症リスクに関連する新たな遺伝子多様体

Nature Communications

2013年11月20日

Genetics: New genetic risk variant for psychiatric disease

Nature Communications

統合失調症と双極性障害に関連する遺伝子多様体が新たに同定されたことを報告する論文が、今週掲載される。今回の研究は、精神疾患の遺伝的要素に関する新たな手掛かりをもたらしている。

統合失調症と双極性障害は、重篤な精神疾患で、世界人口の1~4%が罹患している。これまでの研究で、両疾患に対する遺伝的寄与の大きいことが明らかになっているが、そのごく一部しか解明されていない。今回、Todd Lenczたちは、複数の人種(白人、アジア人、アフリカ系米国人など)によって構成された約25,000人の集団を対象とした大規模メタ解析を行い、精神疾患に関連する遺伝子多様体を新たに同定した。

今回同定されたのは、rs11098403という一塩基多型で、これによって統合失調症と双極性障害の発症リスクが高まる可能性がある。Lenczたちは、この関連の根底にある生物学的機構には、軸索形成、シナプス機能など重大な神経発生過程におけるNDST3遺伝子の発現が関係している可能性があると考えている。今回の研究で得られた知見は、精神疾患の治療のための遺伝的構造と治療標的候補に関する手掛かりをもたらしている。

doi: 10.1038/ncomms3739

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