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【遺伝】トノサマバッタのゲノム塩基配列解読

Nature Communications

2014年1月15日

Genetics: Swarming in on the locust genome

Nature Communications

渡りバッタ(飛蝗)のゲノム概要塩基配列について報告する論文が、今週掲載される。今回の研究成果では、長距離の渡りへの適応に関与している可能性のある遺伝子が明らかになっており、渡りバッタの持続可能な管理の手掛かりがもたらされた。

渡りバッタは、一般に農業病害虫と考えられている。渡りバッタは、個体群サイズが大きくなると、孤独相から群生相へ変化して、大群を形成するようになり、これが、深刻な作物破壊と経済的損失をもたらすことが知られている。今回、Le Kangたちは、渡りバッタの行動とこうした相変異の原因に関わる機構を解明するため、トノサマバッタのゲノムの塩基配列を解読し、さらには、孤独相のトノサマバッタと群生相のトノサマバッタの脳組織を用いて、遺伝子発現の調節を解析した。

また、今回の研究では、トノサマバッタの長距離の渡りに対する適応と整合するエネルギー代謝と抗酸化応答に関与する遺伝子が明らかになり、殺虫剤の標的として有用となる可能性のある遺伝子も同定された。さらに、Kangたちは、トノサマバッタの相変異に影響を及ぼす可能性のある神経機構についても報告して、この生物学的に重要な過程の解明を前進させた。

doi: 10.1038/ncomms3957

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