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【神経科学】ショウジョウバエの攻撃行動を遺伝的に制御する機構

Nature Communications

2014年2月5日

Neuroscience: Genetic control of aggression in flies

Nature Communications

ショウジョウバエの攻撃行動を引き起こす2つの遺伝子について報告する論文が、今週掲載される。今回の研究は、攻撃行動の基盤となる分子機構とこの機構が複数の異なる種において保存される過程に関して、さらなる知見をもたらした。

攻撃行動は、動物のありふれた社会行動だ。マウスの場合には転写因子遺伝子Nr2e1が攻撃行動に大きな影響を与えることが明らかになり、ヒトの統合失調症、双極性障害、精神病質とNr2e1遺伝子の変異が関連していることも明らかになっていた。今回の研究で、Herman Dierickたちは、ショウジョウバエを用いた実験で、tailless遺伝子(マウスのNr2e1遺伝子に相当するショウジョウバエの遺伝子)とそのコリプレッサーであるAtrotrophinのノックダウンによって、攻撃行動が増強されることを明らかにした。

Dierickたちは、tailless遺伝子がこうした作用を及ぼすのは、脳間部(哺乳類の視床下部と機能的、発生的、構造的に類似しているショウジョウバエの脳領域)の神経分泌細胞からの神経ペプチドの分泌調節によることを示す証拠を明らかにした。また、Dierickたちは、この過程が、ショウジョウバエだけでなく、全ての動物における攻撃行動の基盤となる中核的機構となっている可能性も示している。

doi: 10.1038/ncomms4177

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