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匂いと食欲をつなぐカンナビノイド

Nature Neuroscience

2014年2月10日

A cannabinoid connection between smell and appetite

Nature Neuroscience

食物の匂いを嗅ぐと食物摂取量が増加するのは、嗅球に存在するカンナビノイド1型受容体(CB1)の働きに依存しているとの報告が、今週のオンライン版に掲載される。この研究ではまた、CB1受容体の活性化が匂いの感知を増強し食物摂取を導くことを示しており、 肥満に関わる食物摂取行動の変更を目的とする薬理的標的としてこれら受容体が有力であると示唆している。

短期の食事節制は哺乳類脳内で内在性カンナビノイド(大麻類)量を増加させることが知られている。空腹はまた、嗅覚を増強し食物摂取を促進するとされる。Giovanni Marsicanoたちの報告によると、マウスの主嗅球にはカンナビノイド(CB1)受容体があり、内在性カンナビノイドまたは外部からのカンナビノイド(大麻に含まれるマリファナなど)によりそれら受容体を活性化すると、断食に誘導される食物摂取が増加する。事実、マウスに外因性カンナビノイド(マリファナ中の活性要素であるTHCなど)を与えると食欲が増加するのはよく見られる。Marsicanoたちは、嗅球にあるカンナビノイド受容体のこの一群は食物摂取行動の増加を見るのに同じく必要であることを発見した。

このカンナビノイド受容体群は動物が断食または空腹のときのみ食物摂取の増加を調整すると思われるため、嗅球中のCB1受容体は食物摂取行動を変更するための有力な薬理標的となる可能性がある。

doi: 10.1038/nn.3647

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