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【がん】乳がんの薬物耐性と関連した遺伝子多様体

Nature Communications

2014年5月14日

Cancer: Gene variants associated with drug resistance

Nature Communications

TEKT4遺伝子の変異が、乳がんの化学療法薬であるパクリタキセルに対する耐性に関連することが分かった。この新知見は、一部の乳がん患者におけるパクリタキセル耐性の獲得機構と考えられるものを明確に示している。その詳細を報告する論文が、今週掲載される。

パクリタキセルは、乳がんの治療に用いられる化学療法薬だが、薬剤耐性が生じる症例が多い。今回、Zhi-Ming Shao、Ke-Da Yuたちは、パクリタキセルの投与を受ける前と受けた後の患者由来の乳がん組織について塩基配列解読を行った。その結果、一部の患者において、投与後のTEKT4遺伝子の変異量が増加していることが分かった。今回の論文では、こうした患者の無病生存期間と全生存期間が、TEKT4遺伝子の多様体を持たない患者より短いことが指摘されている。

TEKT4遺伝子のタンパク質産物は、パクリタキセルの標的である微小管(細胞分裂にとって重要な細胞中のフィラメント)を安定化させることが知られている。著者が実験室内で培養した細胞を用いた実験では、TEKT4遺伝子の多様体が発現すると、パクリタキセルに対する耐性が高まり、微小管が不安定化した。この新知見は、乳がん患者の一部がパクリタキセル耐性を獲得する機構を示している可能性がある。

doi: 10.1038/ncomms4802

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